東武8000系
概要
1963年に登場した東武の通勤型電車。
20年ほどに及ぶ長期的増備により最高で714両が製造され、これは民鉄の単一形式としては最多を誇る。
メカとしては、制御装置はバーニア制御を使用、さらに台車は連結時の車体高の差をなくすため二度ドイツのミンデン社の高級な台車を使用したことにより、結果的に乗り心地がよい。さらに、日光から浅草への長距離運用を想定し、座席は当時でもロングシートとしてはとてもよい座り心地になっている。
そのかわり、制御装置が複雑になることを避けるため、発電ブレーキが省略された。これは現在、8000系にフラットが出来やすい恒常的原因だが、コストダウンという意味では大きく貢献した。
製造は2、4、6、8両が製造され、ローカル運用から本線の優等運用まで幅広く活躍している。
1980年代から車体修繕を開始。車両両数故に修繕期間は20年に渡り、修繕内容にはかなりの違いがある。代表的な例としては、初期更新まで残された原型の全面が中期更新以降に変更されたことだろう。
2005年から、北関東のローカル運用使用のため、3連の800系・850系が8000系から改造されたがメカニズムは8000系と全く同じ。
また、8000系の廃車は上記の800系・850系の際に余剰が発生したサハのみで、数にして10両。未だにユニット単位での廃車は発生していない。これはほぼ同期のJR103系*1の状況を考えると驚異的と言える。
しかしやはり、車齢も40年を越している車両もあるため、今後の新車の導入状況によっては大量廃車も十分ありうるが、まだそのような計画が具体化されていないので当分は安泰であると言える。
車番
クハ | 8 | 1 | 08 | |
JRと同じ | 8000系を指す | 車両形式 | 製造番号 |
車両形式
クハ8100=池袋、伊勢崎寄りのクハ。
モハ8200=ユニットのモハのうち池袋、伊勢崎寄りのモハ。パンタグラフ、主幹制御器を備える。
モハ8300=ユニットのモハのうち寄居、浅草寄りのモハ。コンプレッサー、電動発電機を備える
クハ8400=寄居、浅草寄りのクハ。
モハ8500=2連の池袋、伊勢崎寄りのモハ。パンタグラフ、主幹制御器を備える
クハ8600=2連の寄居、浅草寄りのクハ。クハだが、相方のモハ8500にコンプレッサー、電動発電機が無いためこちらが装備している。
サハ8700=6連内の池袋、伊勢崎寄りから数えて4両目のサハ。サハだが機能はクハ8600とほぼ同じなのでこちらに補助機器がある。
2006年3月10日 坂戸 サハ8771
モハ8800=6連内の池袋、伊勢崎寄りから数えて5両目のモハ。
2006年3月10日 坂戸 モハ8871
サハ8900=8連内の池袋、伊勢崎寄りから数えて4、5両目のサハ。
製造番号
車両形式ごとに製造番号が順につけられる。尚、8000系にはインフレナンバーが存在する。
例 | サハ89116 |
読み | さははっせんきゅうひゃくのひゃくじゅうろく |
備考 | 関東私鉄の車番としては最高値。 |
編成
4、6、8両はクハ8100の車番が編成番号。2両はモハ8500が編成番号。
構成
いずれも
←池袋、伊勢崎
寄居、浅草→
2両
モハ8500-クハ8600
4両
クハ8100-モハ8200-モハ8300-クハ8400
6両
クハ8100-モハ8200-モハ8300-サハ8700-モハ8800-クハ8400
8両
クハ8100-モハ8200-モハ8300-サハ8900-サハ8900-モハ8200-モハ8300-クハ8400
修繕工事
内容は細かくみると1年単位で微妙に異なっているが、ここでは割愛する。
大雑把にわけると大体3段階に分けられる。
- 初期更新
- もっとも初期に修繕を受けたグループ。顔が原型のまま残された。
- 中期更新
- ここから前面のマイナーチェンジが行われた。
- 後期更新
- バリアフリーを考慮した更新。内装を10000系などと見劣りしないレベルに更新された。この中にもワンマン更新など種類がある。
*1:1963年登場